北国の大自然に囲まれた小高い山の上の一軒家に生まれた私は、海や山を駆けまわる活発な子として育ちましたが、お習字だけは好きで、都会に出て貧乏学生だった時でさえ家賃と紙・墨代を先に確保して残りが食費、当時はその優先順位に疑問を感じていませんでした(笑) 社会人になってからも、書道を続ける強い意志があった訳ではありませんが・・・。
ところが気づくと人生の午後にさしかかり、穏やかな瀬戸内の海を眺めながら墨をすり筆を持つ・・・そこまで期待していなかった“書道” とう相棒は、思いがけずいい味を出して私を表現してくれる存在となりました。
これまでの生きてきた時間や、見てきた景色、そして出逢った人々から得た・・・私の感性が、文字という媒体を使って、これから何を表現できるのか楽しみでなりません。